薬学部だより Vol. 1 掲載
新任教授紹介 ? 分子創薬化学分野 教授 佐野 茂樹 ?
2007年4月1日より、長尾善光教授(現徳島大学理事・副学長・知的財産本部長)の後任として、徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 創薬資源科学部門 機能分子創製学講座 分子創薬化学分野を担当させていただくこととなりました。1990年4月に助手として徳島大学薬学部へ赴任して以来、薬化学研究室(現 分子創薬化学研究室)では、公私にわたり格別のご厚情を賜り、心より御礼申し上げます。1951年に薬学部が設置され、市来崎寿蔵先生、藤田榮一先生、小林茂先生、長尾善光先生が歴代主宰されてこられた伝統ある研究室を引き継ぐこととなり、その責務の重大さを痛感しております。藤田、長尾両先生は京都大学化学研究所 大学院生時代の恩師でもあられ、感慨もひとしおです。これまで同様、「ヘテロ原子の特性を活用する新反応及び機能性分子の開発と創薬への応用」を研究課題の柱とし、薬学としての独自性と学際性を備えた有機化学的研究に鋭意取り組んでいきたいと存じます。2006年度からは薬剤師養成のための薬学部6年制がスタートし、日本の薬学界は大変革期を迎えておりますが、決意を新たに研究と教育に粉骨砕身努力いたす所存でございますので、皆様には、今後ともなお一層のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
退任教授ご挨拶 ? 徳島大学副学長・研究担当理事 長尾 善光 ?
本年3月31日付けで教授職を定年退任いたしましたが、青野学長の要請にて、思いがけなくも、4月1日より副学長・研究担当理事・知的財産本部長を拝命し徳島大学に残留しております。京大化研の助手に着任して以来、実に37年間教員として教育・研究に邁進してきましたが、現在では管理職を歩んでおります。大学院生時代も含めますと、42年間研究生活を過ごしてきたため、研究への思い入れは強く、今でも全く変わりません。研究体制を基盤とする大学管理・運営において如何に学長を支援していくかが私のミッションと認識しています。現在私は、全学の研究体制が恒常的に如何にあるべきかを大所高所から思索し、大学の研究連携推進本部でブレーンの先生方と共に重要課題について企画・調整・運営しております。そこでは、37年間の教員体験と学部長経験が生かされております。さて、大学における研究を論じるには、教育も論じなければなりません。大学の使命である教育・研究・社会貢献は互いに密接に関連しており、大学教育は、小・中・高等学校での教育とは異なることを認識しなければなりません。小中高校での教育は、主として教科書に基づき、静的で、普遍的で、標準化されたものでありますが、大学での教育は教科書教育ばかりでなく、教員自らの高度な研究に裏打ちされた教育であり、ダイナミックであり創造的であるべきです。
大学での研究成果と育成された学生(人材)は大学の知的財産であり、社会に提供されなければなりません。従いまして、独創的で高質な研究展開には、大学院博士課程院生の確保と教育が間断なく重要であり、それにより、研究を標榜する徳島大学たる評価に値するものです。
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